2024.11.26 Tue
GA4のチャネルグループとは?種類・設定方法・分析手順をわかりやすく解説
「GA4のチャネルって何なんだろう?」
「チャネルの設定や分析方法がよく分からない」
このようなお悩みはありませんか?
GA4のチャネルは、サイトへの流入経路を把握し、効果的なマーケティング施策を実現するための重要な機能です。正しく理解して活用することで、的確なサイト分析が可能になります。
そこで、この記事ではGA4初心者の方へ向けて、基本概念から実践的な分析方法、よくあるトラブルの解決策まで詳しく解説します。サイト改善の参考として、ぜひ最後までお読みください。
GA4チャネルの基本概念を理解しよう
GA4チャネルについて、以下の3つの観点から基本概念を説明します。
・GA4チャネルの定義
・従来のUAとの違い
・関連する用語との区別
それぞれ詳しく見ていきましょう。
GA4チャネルとは何か?
GA4チャネルとは、Webサイトへの訪問者がどのような経路で流入してきたかを分類・整理する仕組みです。
たとえば、あるユーザーがGoogleで検索して自社サイトを見つけた場合は「Organic Search」というチャネルに分類されます。また、FacebookやTwitterなどのSNSから訪れた場合は「Social」チャネルとして記録されます。
具体的には、以下のような流入経路を把握することができます。
・Googleなどの検索エンジン経由
・SNSからの流入
・広告からの流入
・直接アクセス
このように流入経路を把握することで、「どの集客方法が効果的なのか」「どのチャネルからの訪問者が成約しやすいのか」といった重要な分析が可能になります。マーケティング施策を検討する際の重要な指標として、GA4チャネルの情報が活用されています。
UA(旧バージョン)との違い
GA4チャネルは、従来のユニバーサルアナリティクス(UA)から大きく変更されています。
主な違いは以下の通りです。
項目 | UA(旧バージョン) | GA4 |
---|---|---|
チャネルの分類方法 | 固定的な分類ルール | カスタマイズ可能 |
データの収集単位 | セッションベース | イベントベース |
チャネルの設定 | 事前定義が豊富 | 柔軟な設定が可能 |
UAでは事前に定義された固定的なルールに従ってチャネルが分類されていましたが、GA4ではより柔軟にカスタマイズができるようになりました。
たとえば、特定のSNSからの流入を独自のチャネルとして設定したり、自社の分析ニーズに合わせた分類ルールを作成したりすることが可能です。
また、データの収集方法も大きく変更されました。UAではセッション(訪問)単位でデータを収集していましたが、GA4ではユーザーの行動を「イベント」として記録します。この変更により、より詳細なユーザー行動の分析が可能になっています。
チャネル・参照元・メディアの違い
GA4で流入経路を分析する際、「チャネル」「参照元」「メディア」という3つの用語が重要になります。これらは似ているようで異なる役割を持っています。以下の表で具体的に確認してみましょう。
用語 | 意味 | 例 |
---|---|---|
チャネル | 流入経路の大分類 | ・Organic Search ・Social |
参照元 | 具体的なサイト名 | ・google.com ・facebook.com |
メディア | 流入の種類 | ・organic ・cpc ・referral |
具体例を挙げると、ユーザーがGoogleで検索して自社サイトを訪れた場合、チャネルは「Organic Search」、参照元は「google.com」、メディアは「organic」として記録されます。これらの情報を組み合わせることで、「GoogleのSEO対策がうまくいっているか」「どのSNSからの流入が多いか」といった具体的な分析が可能になります。
これら3つの要素を正しく理解し、組み合わせて分析することで、より効果的なマーケティング施策の立案につなげることができます。
GA4チャネルの種類と特徴
GA4には、あらかじめ設定されているデフォルトのチャネルグループがあります。それぞれのチャネルには独自の特徴があり、適切に理解することでより効果的なサイト分析が可能になります。具体的な内容を順番に解説していきましょう。
デフォルトチャネルグループの一覧
GA4では、以下の主要なデフォルトチャネルグループが用意されています。
チャネルグループ名 | 概要 | 代表的な流入例 |
---|---|---|
Organic Search | 自然検索からの流入 | Google検索結果からのクリック |
Paid Search | 有料検索広告からの流入 | Google広告からのクリック |
Direct | 直接流入 | URLの直接入力やブックマーク |
Social | SNSからの流入 | FacebookやTwitterからの訪問 |
メールからの流入 | メールマガジンのリンクから | |
Referral | 他サイトからの参照 | 他サイトのリンクからの訪問 |
Video | 動画サイトからの流入 | YouTubeなどからの訪問 |
Display | ディスプレイ広告からの流入 | バナー広告からのクリック |
これらのチャネルグループは、サイトの特性や分析の目的に応じてカスタマイズすることも可能です。
各チャネルの意味と特徴
それぞれのチャネルには固有の特徴があり、マーケティング施策の効果を測定する上で重要な指標となります。
Organic Search
まず「Organic Search」は、SEO対策の効果を測定する際の重要な指標です。検索エンジンからの自然な流入を示すため、コンテンツの質や検索順位の変動による影響を確認することができます。
Paid Search と Display
「Paid Search」と「Display」は、広告施策の効果を測定するためのチャネルです。広告費用に対する投資対効果(ROI)を計算する際に重要な指標となります。
Social
「Social」チャネルは、SNSマーケティングの効果を測定します。FacebookやTwitterなどのSNSプラットフォームからの流入を追跡できます。ソーシャルメディア施策の成果を評価する際の基準となります。
Direct
「Direct」チャネルは、ブランド認知度を測る重要な指標です。URLを直接入力してアクセスする人は、そのサイトをよく知っているユーザーである可能性が高いためです。
「Email」チャネルは、メールマーケティングの効果を測定するために重要です。メールマガジンやキャンペーンメールからの流入を追跡することができます。開封率やクリック率と組み合わせて分析することで、メール施策の効果を総合的に評価できます。
Referral
「Referral」チャネルは、他のWebサイトからの参照トラフィックを示します。たとえば、他のブログやニュースサイトから自社サイトへのリンクがクリックされた場合に記録されます。このチャネルは、外部からの評価や認知度を測る指標として活用できます。また、提携サイトからの送客効果を測定する際にも重要な指標となります。
Video
「Video」チャネルは、YouTubeなどの動画プラットフォームからの流入を示します。動画コンテンツマーケティングを行っている場合、その効果を測定する重要な指標となります。特に、商品紹介動画やハウツー動画からの流入がどの程度あるのか、そしてそれらの訪問者がどのような行動をとるのかを分析することができます。
Unassignedチャネルについて
Unassignedチャネルとは、どのチャネルグループにも分類されなかったトラフィックを示します。このチャネルが多く発生する主な原因は以下の3つです。
1. トラッキングコードの設定ミス
GA4のトラッキングコードが正しく設置されていない場合、アクセスデータを適切に分類できないことがあります。
2. 参照元情報の欠落
技術的な理由で参照元情報が取得できない場合、Unassignedとして記録されることがあります。これは特にモバイルアプリからの流入で発生しやすい傾向にあります。
3. チャネル定義の不備
チャネルの定義ルールが不適切な場合、本来は特定のチャネルに分類されるべきトラフィックがUnassignedとなってしまうことがあります。
Unassignedチャネルの割合が高い場合は、データの正確性に問題がある可能性があります。適切な対応を行うことで、より精度の高い分析が可能になります。
このようなチャネル分類の仕組みを理解することで、より効果的なマーケティング戦略の立案や、施策の効果測定が可能になります。次の章では、これらのチャネルデータを実際にどのように確認し、分析するのかについて解説していきます。
GA4チャネルの確認方法とレポートの見方
GA4でチャネル情報を確認する方法について、具体的な手順とデータの見方を解説します。はじめて使う方でも迷わないよう、画面の移動から分析方法まで順を追って説明していきます。
チャネル情報の確認手順
GA4でチャネル情報を確認するには、以下の手順で進めます。
- GA4へのアクセス方法
まず、Google Analytics(analytics.google.com)にアクセスし、対象のプロパティを選択します。左側のメニューから「集客」を選択してください。
- チャネル情報の表示方法
「集客」メニュー内の「トラフィック獲得」をクリックします。ここで「デフォルトチャネルグループ」という項目が表示され、各チャネルからの流入状況を確認できます。
- 確認できる期間の設定
画面右上の日付選択から、分析したい期間を自由に設定できます。前年同期との比較や、特定のキャンペーン期間の分析なども簡単に行えます。
レポート画面の基本的な活用方法
GA4のレポート画面は、各チャネルの性能を示す重要な指標が一覧表示されます。画面の構成と主要な指標について、順を追って解説していきます。
まず基本的な画面構成について説明します。画面上部には期間選択バーがあり、任意の期間でデータを表示できます。その下には主要な指標が横一列に並び、チャネルごとの詳細データが表形式で表示されます。
重要な指標の意味と活用方法は以下の通りです。
【総ユーザー数】
サイトに訪れた利用者の総数を示します。この数値が大きいほど、そのチャネルからの集客力が高いことを意味します。ただし、数が多ければ良いというわけではありません。コンバージョン率やエンゲージメント率と合わせて評価することが重要です。
【新規ユーザー】
初めてサイトを訪れた人の数を表します。新規ユーザーの割合が高いチャネルは、新たな顧客層の開拓に貢献している可能性があります。一方で、リピーターの割合が高いチャネルは、継続的な関係構築ができているとみなせます。
【エンゲージメント時間】
ユーザーがサイト内で過ごした時間の平均値です。この数値が長いほど、コンテンツへの関心が高いと判断できます。特に以下の点に注目して分析します。
・10分以上の長時間滞在
・30秒未満の短時間離脱
・チャネル別の平均値の違い
【直帰率】
1ページだけ見て離脱したセッションの割合を示します。この数値が高すぎる場合は、以下の課題が考えられます。
・ユーザーの期待と内容のミスマッチ
・ページの読み込み速度の問題
・デザインやUIの改善の必要性
【コンバージョン率】
設定した目標(商品購入や資料請求など)の達成率を示します。チャネルの投資対効果を測る重要な指標です。数値の評価は以下の観点で行います。
・業界標準との比較
・自社の過去実績との比較
・チャネル間の相対比較
【セッション数】
訪問回数を表す指標です。総ユーザー数とセッション数を比較することで、1人あたりの平均訪問回数が分かります。この数値が高いチャネルは、リピート率の高い良質な流入元と判断できます。
【ページビュー数】
閲覧されたページの総数です。セッションあたりのページビュー数が多いチャネルは、ユーザーの回遊性が高く、コンテンツへの関心度が高いと評価できます。
チャネル別のデータ分析方法
効果的なデータ分析のために、以下の3つの視点で確認することをおすすめします。
- チャネル間の比較分析
各チャネルの性質に応じて、以下のような項目を比較します。 ・集客数の規模 ・コンバージョン率の高さ ・エンゲージメント率の違い ・新規ユーザーの獲得率 - 時系列での変化の確認
特定のチャネルについて、以下の観点で推移を確認します。 ・季節による変動 ・施策実施による効果 ・前年との比較 ・平日と週末の違い - セグメント別の詳細分析
チャネルごとに以下の切り口で詳細を確認します。 ・デバイス(PC/スマートフォン/タブレット) ・地域 ・ユーザー属性 ・行動パターン
これらの分析を組み合わせることで、より実践的な示唆を得ることができます。
たとえば、「Organic Searchからの訪問者は平日の午前中にPCからアクセスする傾向が強い」といった具体的な特徴を把握できます。
GA4チャネルのトラブルシューティング
GA4のチャネルデータに関する問題は、適切な対処を行うことで解決できます。ここでは、よく発生するトラブルとその解決方法について、以下の3点を解説していきます。
・Unassignedが多い場合の対処法
・チャネルデータが正しく収集されない場合の対応
・よくある設定ミスと解決方法
データの正確性を高め、より良い分析につなげるためのポイントを確認しましょう。
Unassignedが多い場合の対処法
Unassignedチャネルの割合が高いということは、トラフィックの流入元を正しく把握できていない状態を意味します。以下の手順で対処していきます。
- まず現状を確認
Unassignedの発生パターンを以下の点から確認します。 ・特定のデバイスに偏りがないか ・特定の時間帯に集中していないか ・特定のページでの発生が多くないか - 主な原因と対処方法
原因 | 具体的な症状 | 対処方法 |
---|---|---|
トラッキングコードの設置ミス | 特定ページでUnassignedが多い | コードの再設置や設置位置の確認 |
参照元情報の欠落 | モバイルからの流入で多発 | UTMパラメータの活用 |
チャネル定義の不備 | 新規メディアからの流入が未分類 | チャネル定義ルールの見直し |
- 改善後の確認ポイント
対策実施後は、Unassignedの割合が減少していることを確認します。ただし、完全にゼロにすることは難しく、5%程度までの発生は許容範囲とされています。
チャネルデータが正しく収集されない場合の対応
チャネルデータの収集に問題がある場合、具体的な事例に基づいて解説します。
【具体例1:特定のSNSからの流入が記録されない】
Twitterからの流入があるはずなのに、Socialチャネルにデータが記録されないケースがあります。
この場合、以下の手順で対応します。
1. トラッキングコードの確認
管理画面で「データストリーム」を開き、「タグの設定手順」からコードを確認します。コードが古いバージョンの場合は最新のものに更新してください。
2. SNSリンクのパラメータ設定
TwitterのプロフィールURLやツイートに貼るリンクにUTMパラメータを追加します。
例:www.example.com/?utm_source=twitter&utm_medium=social
【具体例2:有料広告の流入が正しく計測されない】
Google広告を出稿しているのに、Paid Searchチャネルのデータが不自然に少ない場合の対処法です。
1. アカウントの連携確認
GA4の管理画面から「Googleアカウントのリンク」を開き、Google広告アカウントが正しく連携されているか確認します。連携が切れている場合は再度設定を行います。
2. 自動タグ設定の確認
Google広告の管理画面で「自動タグ付け」が有効になっているか確認します。無効になっている場合は、設定画面から有効化します。
【具体例3:直接流入が急増した場合】
Directチャネルの数値が急に増加した場合、以下の点を確認します。
1. リファラーデータの確認
「ソース/メディア」レポートを確認し、「(direct)/(none)」の内訳を詳しく見ます。特定のページへの直接流入が多い場合、そのページに設置された外部リンクをチェックします。
2. セキュリティ設定の確認
HTTPSからHTTPへの遷移がある場合、リファラー情報が欠落することがあります。サイト全体のHTTPS化を確認し、必要に応じて修正します。
よくある設定ミスと解決方法
GA4の設定に関する一般的なミスについて、具体的な解決方法を説明します。
チャネル定義の設定ミスは、特定のトラフィックが意図しないチャネルに分類されてしまう問題です。これは主に、チャネル定義の優先順位が不適切な場合や、正規表現の記述ミス、UTMパラメータの不統一が原因として考えられます。解決には、チャネル定義ルールを見直し、優先順位を適切に設定する必要があります。また、UTMパラメータの命名規則を統一し、社内で共有することも重要です。
測定の設定ミスにより、データが部分的に欠落したり、重複してカウントされたりする問題も発生します。イベントの設定漏れや重複計測の発生、クロスドメイントラッキングの設定ミスなどが主な原因です。これらの問題に対しては、イベント設定を見直し、必要に応じて修正を行います。クロスドメイントラッキングが必要な場合は、適切な設定を慎重に行うことが重要です。
【まとめ】GA4のチャネルを正しく理解して効果的に活用しよう
GA4のチャネルは、ウェブサイトやアプリへの流入経路を理解し、マーケティング施策を最適化するための重要な指標です。デフォルトチャネルグループの仕組みや種類を理解し、正確な分析を行うことで、より効果的な意思決定が可能になります。また、「Unassigned」チャネルなどのトラブルにも対応できるよう、適切な設定や原因の特定を行うことが大切です。
本記事でご紹介した内容を活用して、GA4チャネルのデータを最大限に活かし、デジタルマーケティングを次のレベルへ引き上げましょう。正しい知識と設定をもとに、確実な成果を目指してください。