2024.11.24 Sun
Googleアナリティクスのセッションとは?意味や確認方法、増やすための施策を解説
「セッション数って何だろう?」
「PV数やユーザー数との違いがよくわからない」
「どうやって確認して、どう改善すればいいの?」
このようなお悩みはありませんか?
セッション数は、Webサイトのパフォーマンスを測る重要な指標です。正しく理解し活用することで、効果的なサイト改善が可能になります。
そこで、この記事では、セッション数の基礎から実践的な改善方法まで、順を追って詳しく解説します。SEO対策やサイト分析の参考として、ぜひ最後までお読みください。
セッション数とは?基本的な意味を理解しよう
セッション数とはウェブサイトへの訪問回数を表す指標です。
以下の2つのポイントから詳しく解説します。
・セッション数の基本的な定義
・PV数やユーザー数との違い
それぞれ説明していきましょう。
セッション数の定義
セッション数は「1人のユーザーがウェブサイトを訪れてから離脱するまで」の一連の行動をカウントする指標です。
例えば、朝と夜に同じユーザーが1回ずつサイトを訪れた場合、セッション数は2回とカウントされます。
セッションは以下の場合に新しくカウントされます。
・30分以上サイト内で動きがない場合
・日付が変わった場合
・異なる参照元(検索やSNSなど)からアクセスした場合
PV数やユーザー数との違いの概要
セッション数は、PV数やユーザー数と混同されやすい指標です。
それぞれの違いを表で整理すると以下のようになります。
指標 | 意味 | カウント例 |
---|---|---|
セッション数 | サイトへの訪問回数 | 1人が朝夜2回訪問→2回 |
PV数 | ページの閲覧回数 | 3ページ見た場合→3回 |
ユーザー数 | 訪問者の実数 | 同じ人が何度訪問→1人 |
セッション数は「サイトの集客力」を、PV数は「コンテンツの閲覧状況」を、ユーザー数は「実際の訪問者数」を把握するのに適しています。
セッション数と他の指標の違いを詳しく解説
Webサイトの分析指標には、それぞれ異なる特徴があります。 主要な3つの指標の違いは以下の表の通りです。
項目 | 計測対象 | カウント方法 | 主な活用方法 | 数値の特徴 |
---|---|---|---|---|
セッション数 | 訪問回数 | 一連の行動を1回とカウント | サイトの集客力分析 | PVより少なくUUより多い |
ユーザー数(UU) | 実訪問者数 | 同一ユーザーはまとめてカウント | 実際のリーチ数の把握 | 3指標の中で最も少ない |
PV数 | ページ閲覧回数 | ページ表示ごとにカウント | コンテンツの人気度把握 | 3指標の中で最も多い |
それぞれの指標の詳しい違いを見ていきましょう。
ユーザー数(UU)との違い
セッション数とユーザー数は、同じサイト訪問を異なる視点で計測しています。
セッション数は「訪問のたびに」カウントが増えます。
例えば、1人のユーザーが朝、昼、夜と3回サイトを訪れた場合、セッション数は3回とカウントされます。
一方、ユーザー数は「訪問者単位」で計測します。
同じユーザーが何度訪問しても1人としてカウントされます。
これは、Cookieなどを利用して同一ユーザーを識別しているためです。
このような違いがあるため、セッション数はサイトの集客力や再訪問率の分析に、ユーザー数は実際の到達人数の把握に活用されます。
ページビュー(PV)との違い
セッション数とPV数は、計測の単位が大きく異なります。
セッション数は「サイト訪問」という大きな単位で計測します。
ユーザーがサイトを訪れてから離脱するまでの一連の行動を、1つのセッションとしてカウントします。
また、30分以上の無活動や日付が変わった場合は、新しいセッションとして計測されます。
一方、PV数は「ページ閲覧」という小さな単位で計測します。
1回のセッション中に複数のページを見た場合、見たページの数だけPV数が増えていきます。
例えば、ブログの記事一覧から気になる記事を3つ読んだ場合、セッション数は1回ですが、PV数は4回(一覧ページ+記事3つ)となります。
このような特徴から、PV数はコンテンツの人気度やサイト内の回遊状況を分析する際に重要な指標として活用されています。
Googleアナリティクスでセッション数を確認する方法
Googleアナリティクスでは、セッション数を簡単に確認することができます。
ただし、正確な分析のためには以下の点に注意が必要です。
・基本的な確認手順を押さえる
・計測ルールを理解する
・特殊なケースへの対応を知る
それでは、具体的な方法を説明していきます。
セッション数を確認する手順
Googleアナリティクスでセッション数を確認する方法は以下の通りです。
1. Googleアナリティクスにログインする
2. 左メニューから「レポート」を選択
3. 「リアルタイム」→「概要」を選択
4. 画面上部の期間設定で確認したい期間を選択
5. 「セッション数」の項目を確認
より詳しい分析も可能です。「ユーザー」メニューでは時間帯別の推移を、「獲得」メニューでは流入元ごとの比較を確認できます。 また、「エンゲージメント」メニューでは、滞在時間との関係性を分析することができます。
ユーザーセッションの計測ルール
ユーザーセッションの計測ルールは以下の3つのポイントを抑えておきましょう。
- 30分以上の無活動でセッションが切れる
- 日付が変わる場合の扱い
- 特殊な計測ケースの注意点
それぞれ詳しく解説していきます。
30分以上の無活動でセッションが切れる
Googleアナリティクスには、30分以上の無活動を検知すると自動的にセッションを終了する仕組みがあります。
この仕組みは、長時間放置されたブラウザの誤カウントを防ぎ、実際のユーザー行動との整合性を確保するために設けられています。
なお、この30分という設定は変更することも可能ですが、一般的なWebサイトではデフォルトの30分設定が推奨されています。
日付が変わる場合の扱い
深夜0時を跨いだ場合は、自動的に新しいセッションとしてカウントが開始されます。
このルールは変更することができないため、深夜帯のデータを分析する際は特に注意が必要です。
日付別のレポート作成時や、日々の比較分析を行う場合は、この仕様を考慮した上で数値を見る必要があります。
特殊な計測ケースの注意点
複数デバイスからのアクセスは、同一ユーザーであっても別セッションとしてカウントされます。
これは、デバイスごとにCookieが異なるためです。
また、キャンペーンパラメータ付きのURLで再訪問した場合も、新しいセッションとしてカウントされます。
これは、異なる流入元として認識されるためです。
JavaScriptが無効な環境では正確な計測ができない可能性があります。
そのような場合は、サーバーサイドログ解析ツールを併用することで、より正確なデータ収集が可能になります。
具体的には、Apache Log AnalyzerやAWStatsなどのログ解析ツールを使用することで、JavaScriptに依存しない計測を実現できます。
これらのツールは、Webサーバーに直接記録されるアクセスログを解析するため、JavaScriptの有効・無効に関係なくデータを収集できるという特徴があります。
セッション数の一般的な目安について
セッション数の評価は、業界やサイトの特性によって大きく異なります。 以下の表で業界別の特徴を確認し、自社サイトの位置づけを把握しましょう。
業界 | 月間セッション数の目安 | 特徴的な変動パターン |
---|---|---|
Eコマース | 10,000〜50,000 | セール時期に大きく増加 |
メディア | 50,000〜200,000 | 平日と休日で差が出やすい |
コーポレート | 1,000〜5,000 | 採用時期に増加傾向 |
ブログ | 3,000〜10,000 | 記事更新のタイミングで変動 |
業界別の平均的なセッション数
業界によってセッション数の平均値は大きく異なります。 以下は、月間セッション数の業界別の一般的な目安です。
Eコマース系サイト
Eコマース系サイトでは、月間10,000〜50,000セッションが平均的な数値とされています。 商品数が多く、定期的なセール施策を行うサイトでは、さらに多くのセッション数を記録することもあります。
メディア系サイト
メディア系サイトの場合、月間50,000〜200,000セッションが一般的です。 ニュースサイトなど更新頻度の高いメディアでは、1日あたり数万セッションを記録することも珍しくありません。
企業のコーポレートサイト
企業のコーポレートサイトは、月間1,000〜5,000セッションが平均的な範囲です。 ただし、採用情報や IR情報など、季節性の高いコンテンツがある場合は、時期による変動が大きくなります。
セッション数の良し悪しの判断基準
セッション数の評価は、以下の3つの観点から総合的に判断する必要があります。
前年同月比での推移
1点目は、前年同月比での推移です。 季節要因による変動を除外して評価するため、前年同月と比較することで実質的な改善度合いを把握できます。
直近3ヶ月の平均値との比較
2点目は、直近3ヶ月の平均値との比較です。 短期的なトレンドを確認することで、足元での改善施策の効果を測定することができます。
コンバージョン率との相関
3点目は、コンバージョン率との相関です。 セッション数が多くても、コンバージョンに結びつかなければ意味がありません。 両者の関係性を注視することで、トラフィックの質を評価することができます。
警戒すべき数値の変動パターン
急激なセッション数の変動は、サイトに何らかの問題が発生している可能性を示唆します。
例えば、セッション数が前月比で50%以上減少した場合、検索エンジンからの評価低下や、システムトラブルの可能性があります。 このような場合は、Google Search Consoleでインデックス状況を確認し、サーバーの動作状況も併せてチェックする必要があります。
また、セッション数は増加しているのに直帰率が著しく上昇している場合は、スパムアクセスの可能性があります。 この場合、IPアドレスやアクセス元の分析を行い、不正なトラフィックでないかを確認することが重要です。
さらに、特定のページだけセッション数が極端に減少している場合は、該当ページの表示速度低下や、コンテンツの陳腐化が考えられます。 定期的なコンテンツの見直しと、表示速度の計測を行うことをおすすめします。
警戒すべき数値の変動パターンとして以下の表でまとめました。
変動パターン | 考えられる原因 | 対応方法 |
---|---|---|
前月比50%以上の減少 | 検索順位の低下・システム障害 | Search Console確認・サーバー状態チェック |
直帰率の急上昇 | スパムアクセス・コンテンツ不適合 | アクセス元分析・コンテンツ見直し |
特定ページの極端な減少 | 表示速度低下・情報の陳腐化 | 速度改善・コンテンツ更新 |
モバイルからの急減 | スマホ表示の不具合 | モバイルフレンドリーテスト実施 |
セッション数を増やすための具体的な施策
セッション数を増やすためには、複数の施策を組み合わせて実施することが重要です。
まずは現状のセッション数を分析し、どの施策から着手すべきか優先順位をつけましょう。
以下では、効果の高い5つの施策について具体的に説明していきます。
SEO対策で検索流入を増やす
検索エンジンからの流入を増やすことは、セッション数増加の基本となります。
まずは、サイトの技術的な改善から始めましょう。サイトの表示速度を改善し、スマートフォンでの表示を最適化することで、検索順位の向上が期待できます。
次に、キーワード戦略を見直します。検索ボリュームが多く、かつ競合の少ないキーワードを狙うことで、効率的にトラフィックを獲得できます。
特に「ロングテール」と呼ばれる具体的な検索フレーズを意識したコンテンツ作りが有効です。
コンテンツの質を向上させる
質の高いコンテンツは、直接的なセッション数の増加だけでなく、リピーターの獲得にも貢献します。
例えば、専門性の高い情報を提供する記事や、実践的なハウツー記事は、ユーザーから高い評価を得やすいです。
重要なのは、ユーザーの悩みや課題に具体的な解決策を提示することです。
一般的な情報の羅列ではなく、独自の視点や具体例を交えた説明を心がけましょう。
また、定期的に古いコンテンツを更新することで、継続的な流入を維持できます。
SNS運用でトラフィックを拡大
SNSからの流入は、検索エンジンとは異なる特性を持つユーザーを獲得できる重要な施策です。
特に、コンテンツの更新直後は、SNSでの拡散によって大きな流入が期待できます。
SNS種別 | 向いているコンテンツ | 投稿のコツ |
---|---|---|
速報性の高い情報・短文での解説 | ハッシュタグの活用 | |
専門的な情報・詳細な解説 | コミュニティでの共有 | |
ビジュアル重視のコンテンツ | ストーリーズの活用 |
ユーザーのサイト滞在時間を伸ばす回遊設計
ユーザーを長くサイトに滞在させることで、セッション数の質を高めることができます。
記事下部に関連記事を表示したり、カテゴリーナビゲーションを見やすく配置したりすることで、ユーザーの回遊を促進します。
また、パンくずリストの設置やサイト内検索の改善により、ユーザーが目的のコンテンツに辿り着きやすい導線を確保しましょう。
特に、ファーストビューでの離脱を防ぐため、コンテンツの冒頭部分は特に丁寧に作り込むことが重要です。
効果を最大化するプロモーション手法
プロモーションを行う際は、セッション数の「量」と「質」の両方を意識することが重要です。
メールマガジンやリスティング広告は、既に興味を持っているユーザーにリーチできる効果的な手法です。
また、他サイトとの相互リンクやゲスト投稿なども、関連性の高いユーザーを獲得できる施策として有効です。
ただし、プロモーションを実施する際は、必ずROIを意識し、コストに見合った効果が得られているか定期的に検証することを忘れないようにしましょう。
まとめ:セッション数を正しく理解し改善に活かそう
セッション数は、Webサイト運営における重要な指標の一つです。PV数やユーザー数との違いを理解し、Googleアナリティクスを活用して正確に計測することで、サイトの現状を把握できます。また、業界やサイトの目的に応じた適切な目安を持つことで、セッション数をどのように評価すべきかの基準が明確になります。
さらに、SEO対策やコンテンツの質の向上、SNS活用など具体的な施策を講じることで、セッション数を効率的に増やすことが可能です。これらのデータをもとに改善を繰り返すことで、ユーザーの利便性を高め、サイトの成長を促進できます。
セッション数は単なる数値ではなく、ユーザーの行動やサイトのパフォーマンスを示す貴重な指標です。この記事を参考に、セッション数を正しく理解し、効果的な改善に活かしてください。