2025.02.27 Thu

アクセス解析とは?初心者が知るべき基礎知識と無料ツール4選

  • アクセス解析ってどこから始めればいいのだろう
  • 無料ツールはどれを選べばいいのだろう
  • データをどう分析すればよいのだろう

このようなお悩みはありませんか?

アクセス解析は、Webサイトの改善に欠かせない重要なツールです。適切に活用することで、ユーザーの行動を理解し、効果的な改善策を見つけることができます。

そこで、この記事では、アクセス解析の基礎知識から実践的な活用方法まで、初心者の方でもわかりやすく解説します。無料ツールの選び方や、データの正しい解釈方法の参考として、ぜひ最後までお読みください。

アクセス解析とは?

アクセス解析とは、Webサイトへの訪問者の行動データを収集・分析する手法です。

アクセス解析では、サイトに訪れたユーザーの「数」「属性」「行動」という3つの重要な情報を把握することができます。具体的には、1日の訪問者数、利用しているデバイス、よく見られているページ、サイト内での移動経路、滞在時間、離脱するタイミングなどを数値化して確認できます。

アクセス解析の主な目的は、Webサイトの問題点を発見し、改善につなげることです。例えば、「ページの表示が遅い」「商品の購入に至らない」「問い合わせフォームの離脱率が高い」といった課題を、具体的なデータをもとに特定することができます。このようにして見つけた課題に対して適切な改善策を実施し、その効果を測定することで、Webサイトを継続的に改善していくことができます。

初心者が知っておきたいアクセス解析の基本用語

アクセス解析では多くの専門用語が使われます。ここでは、初心者の方が最初に押さえておくべき基本的な用語を解説していきます。

セッション(Session)

セッションとは、ユーザーがWebサイトを訪問してから離脱するまでの一連の行動の単位を指します。具体的には、最初のページを開いてから、最後にサイトを閉じるまでの一連の閲覧行動のことです。なお、30分以上の無操作があった場合や、日付が変わった場合は、新しいセッションとしてカウントされます。

ユーザー(User)

ユーザーとは、Webサイトに訪れた人の数を表す指標です。同じ人が1日に複数回サイトを訪れた場合でも、1ユーザーとしてカウントされます。これは、ブラウザに保存されるCookieによって識別されます。ただし、同じ人でも異なるデバイスやブラウザでアクセスした場合は、別のユーザーとしてカウントされる点に注意が必要です。

ページビュー(PV: Page View)

ページビューとは、Webサイト内の各ページが表示された回数を表す指標です。例えば、1人のユーザーが3つのページを見た場合、ページビュー数は3となります。サイト全体の閲覧数を把握する際によく使用される指標ですが、同じページを何度も更新した場合もカウントされるため、実際の閲覧者数とは異なる点に注意が必要です。

直帰率(Bounce Rate)

直帰率とは、Webサイトに訪れたユーザーが、最初に見たページだけを閲覧して離脱した割合を表す指標です。例えば、ブログ記事から流入してその記事だけを読んで離脱した場合、それは直帰としてカウントされます。直帰率が高いページは、ユーザーの期待と内容が合っていない可能性があり、改善を検討する必要があります。

離脱率(Exit Rate)

離脱率とは、そのページを最後に見てサイトを離れたユーザーの割合を表す指標です。直帰率との違いは、サイト内の他のページを見た後に離脱した場合もカウントされる点です。特定のページの離脱率が著しく高い場合は、そのページに問題がある可能性を示唆しています。

コンバージョン(CV: Conversion)

コンバージョンとは、Webサイトで設定した目標が達成された状態を指します。具体的には、商品の購入、資料請求、会員登録、メルマガ登録など、サイトの目的に応じて設定された成果のことです。アクセス解析では、このコンバージョンの発生状況を追跡することで、サイトの成果を測定できます。

コンバージョン率(CVR: Conversion Rate)

コンバージョン率とは、サイトを訪れたユーザーのうち、実際にコンバージョンに至った割合を表す指標です。計算式は「コンバージョン数÷訪問者数×100」です。例えば、1,000人の訪問者のうち10人が商品を購入した場合、コンバージョン率は1%となります。この数値が低い場合は、サイトの導線や商品説明の改善が必要かもしれません。

トラフィック(Traffic)

トラフィックとは、Webサイトへのアクセス量を表す総称です。具体的には、サイトへの訪問者数、ページビュー数、セッション数などの指標で示されます。トラフィックの増減を分析することで、サイトの注目度や集客施策の効果を把握することができます。

流入元(チャネル)

流入元とは、ユーザーがどこからWebサイトにアクセスしてきたかを示す指標です。主な流入元には、Google検索などの検索エンジン、SNS、他サイトからの参照、メールマガジン、広告などがあります。流入元の分析により、効果的な集客方法を特定したり、各チャネルからの訪問者の行動の違いを把握したりすることができます。

デバイス(Device)

デバイスとは、ユーザーがWebサイトにアクセスする際に使用している機器の種類を表します。主にパソコン、スマートフォン、タブレットの3種類に分類されます。デバイスごとの利用状況を分析することで、重点的に対応すべきデバイスを特定したり、デバイスごとの最適化が必要な箇所を見つけたりすることができます。

平均セッション時間(Average Session Duration)

平均セッション時間とは、ユーザーがWebサイト内で過ごす平均的な時間を表す指標です。この数値が長いほど、ユーザーがコンテンツに興味を持って閲覧していると考えられます。ただし、長ければ良いというわけではなく、サイトの目的に応じて適切な時間は異なります。

ページ/セッション(Pages per Session)

ページ/セッションとは、1回のセッションで閲覧されるページ数の平均値を表す指標です。この数値が高いほど、ユーザーがサイト内の複数のページに興味を持って回遊していることを示します。商品紹介サイトなどでは、この数値が高いことで商品比較が活発に行われていることが分かります。

新規訪問率(New Visitor Rate)とリピーター率(Returning Visitor Rate)

新規訪問率とは、期間内の訪問者のうち、初めてサイトを訪れた人の割合を表します。反対に、リピーター率は、2回目以降の訪問者の割合を示します。これらの比率を分析することで、新規ユーザーの獲得状況や、既存ユーザーの定着度を把握することができます。

エンゲージメント率(Engagement Rate)

エンゲージメント率とは、ユーザーがWebサイトにどの程度関与しているかを示す指標です。具体的には、ページの滞在時間、スクロール率、クリック数などの行動データから算出されます。この数値が高いほど、ユーザーがコンテンツに深く関与していることを示しており、サイトの改善効果を測る重要な指標となります。

 アクセス解析の始め方

アクセス解析を始めるにあたって、まずは適切な準備が必要です。

ここでは、効果的なアクセス解析を行うために必要な準備について説明します。

アクセス解析を始めるために必要な準備

アクセス解析を始める前に、目的の設定とツールの導入という2つの重要な準備が必要です。これらの準備を適切に行うことで、効果的なアクセス解析が可能になります。

分析目的の設定(KGI・KPIの決定)

アクセス解析を始める前に、まず「何のために分析するのか」という目的を明確にする必要があります。

具体的には、最終目標であるKGI(Key Goal Indicator)と、それを達成するための中間指標であるKPI(Key Performance Indicator)を設定します。

例えば、ECサイトの場合、KGIを「月間売上100万円」と設定し、そのためのKPIとして「商品ページへの訪問者数」「カート追加率」「購入完了率」などを設定します。

ツール導入と初期設定

目的が決まったら、次はアクセス解析ツールの導入と設定を行います。

最も一般的なのはGoogleアナリティクスですが、導入時には以下の点に注意が必要です。

まず、トラッキングコードを正しくサイトに設置することです。

コードの設置位置や書き方を間違えると、正確なデータが取得できません。

次に、目標設定(コンバージョン計測)の設定です。先ほど決めたKPIを測定できるように、適切な目標設定を行います。

また、不要なアクセスを除外するフィルタ設定や、サイト内検索の計測設定なども、必要に応じて行います。

 アクセス解析の基本的な実施手順

アクセス解析は、データの収集から改善策の実施まで、段階的に進めていく必要があります。

ここでは、基本的な実施手順について説明します。

 STEP1:現状把握とデータ収集

まずは、現状のサイトパフォーマンスを把握するためのデータ収集を行います。具体的には、アクセス数、ページビュー数、直帰率、コンバージョン率などの基本的な指標を確認します。

この際、最低でも1ヶ月分のデータを収集し、曜日や時間帯による変動も考慮に入れることが重要です。

 STEP2:仮説を立てて改善策を考える

収集したデータをもとに、サイトの課題に対する仮説を立てます。例えば、「商品ページの直帰率が高いのは、商品説明が不十分だからではないか」「スマートフォンからの離脱が多いのは、表示が崩れているからではないか」といった具体的な仮説です。そして、その仮説に基づいて、実行可能な改善策を検討します。

 STEP3:データ分析と改善施策の評価

改善策を実施したら、その効果を測定します。改善前後でデータを比較し、設定したKPIが改善されているかを確認します。効果が見られない場合は、仮説や改善策を見直し、新たな施策を検討します。このPDCAサイクルを継続的に回すことで、サイトの段階的な改善を実現できます。

 アクセス解析ツールの選び方

アクセス解析ツールを選ぶ際には、複数の選択肢を比較検討する必要があります。

ここでは、ツール選びで重要なポイントを解説します。

分析目的に合った機能が備わっているか

アクセス解析ツールを選ぶ際には、まず自社の分析目的に必要な機能が備わっているかを確認します。基本的なアクセス数の計測だけでなく、コンバージョン計測、ヒートマップ分析、ABテストなど、目的に応じて必要な機能は異なります。例えば、ECサイトであれば商品別の売上分析機能、メディアサイトであればコンテンツの読了率分析機能など、サイトの種類によって重視すべき機能が変わってきます。

操作性や使いやすさ(初心者向けかどうか)

データ分析の経験が少ない場合は、操作性の良さや分かりやすさを重視する必要があります。具体的には、直感的な操作が可能なインターフェース、レポートの見やすさ、データの出力のしやすさなどをチェックします。また、日本語対応しているかどうかも、初心者にとっては重要なポイントです。

無料プランと有料プランの違いを理解する

多くのアクセス解析ツールには、無料プランと有料プランが用意されています。無料プランでも基本的な分析は可能ですが、データの保存期間や分析できる項目数に制限があることが一般的です。有料プランでは、より詳細な分析や長期的なデータ保存が可能になります。自社の予算と必要な機能を照らし合わせて、適切なプランを選択する必要があります。

サポートやドキュメントの充実度

アクセス解析ツールを効果的に活用するためには、充実したサポート体制が重要です。具体的には、マニュアルやヘルプページの分かりやすさ、問い合わせ対応の速さ、トラブル発生時のサポート体制などを確認します。また、オンラインコミュニティやユーザーフォーラムの存在も、活用のヒントを得る上で役立ちます。

 無料で使えるアクセス解析ツール4選

アクセス解析を始めるなら、まずは無料ツールの活用がおすすめです。

ここでは、特に人気の高い4つの無料ツールについて、その特徴と活用方法を解説します。

Google Analytics 4(GA4)

Google Analytics 4は、Googleが提供する最新のアクセス解析ツールです。基本的な機能は無料で利用でき、世界で最も普及しているアクセス解析ツールです。主な特徴として、詳細なユーザー行動の分析、コンバージョン計測、リアルタイム分析などが可能です。また、AIを活用した予測分析機能も搭載されており、将来のトレンド予測にも活用できます。

Google Search Console

Google Search Consoleは、主にGoogleの検索結果におけるサイトのパフォーマンスを分析するためのツールです。検索キーワードごとの表示回数やクリック率、サイトの技術的な問題点の検出、モバイル対応状況の確認などが可能です。SEO対策を行う上で必須のツールとして、多くのサイト運営者に活用されています。

ミエルカ ヒートマップ

ミエルカ ヒートマップは、ユーザーの行動を視覚的に分析できるツールです。ページ上でのマウスクリックの位置や、スクロールの深さをヒートマップとして表示することができます。これにより、ユーザーがどの部分に興味を持っているか、どこまでページを読んでいるかなどを直感的に理解することができます。

Ptengine

Ptengineは、ヒートマップ機能とアクセス解析機能を組み合わせたツールです。無料プランでも、ページごとの訪問者数やクリック位置の分析、フォーム入力の離脱率分析などが可能です。特に、フォームの改善やランディングページの最適化に強みを持つツールとして知られています。

 アクセス解析を行う際の注意点とよくある失敗

アクセス解析は適切に実施しないと、誤った判断につながる可能性があります。

ここでは、効果的なアクセス解析を行うための注意点と、よくある失敗について解説します。

アクセス解析データを正確に解釈するコツ

データの正確な解釈には、複数の指標を組み合わせて総合的に判断することが重要です。例えば、直帰率が高いページがあった場合、単純に「コンテンツに問題がある」と判断するのではなく、そのページの目的や、ユーザーの訪問目的を考慮する必要があります。また、季節性や時期による変動も考慮に入れ、長期的な視点でデータを見ることが大切です。

初心者が陥りがちな分析ミスとその回避法

初心者がよく陥る失敗として、単一の指標だけで判断してしまうことが挙げられます。例えば、「PVが増えたから成功」と判断するのではなく、そのPVの質(滞在時間やコンバージョン率)まで確認する必要があります。また、自社のアクセスや検証用のアクセスを除外せずに分析してしまうケースも多いため、適切なフィルタ設定を行うことが重要です。

データドリブンな改善のための心構え

データに基づく改善を行うためには、「仮説→検証→改善」のサイクルを意識することが重要です。データは「現状を知るための手段」であり、それ自体が目的ではありません。分析結果を実際の改善アクションにつなげ、その効果を測定し、さらなる改善を検討するという継続的なプロセスが必要です。また、定期的にデータを確認する習慣を持ち、異常値や変化の兆しを早期に発見できる体制を整えることも大切です。

まとめ|アクセス解析を活用してウェブサイトの成果を最大化しよう

アクセス解析は、ウェブサイトの現状を正確に把握し、課題を見つけて改善へとつなげるために欠かせない手法です。初心者であっても、基本用語の理解や適切なツールの選定、そして正しい手順での解析実施を行うことで、着実にサイトの成果を向上させることができます。

特に、Google Analytics 4やGoogle Search Consoleといった無料で使えるアクセス解析ツールを活用すれば、コストを抑えつつも高度なデータ分析が可能です。また、アクセス解析は単なるデータ収集ではなく、そのデータをもとに**「どのような施策を講じるか」**が重要です。ユーザー行動を深く理解し、改善策を実施・検証することで、継続的な成長が期待できます。

最後に、アクセス解析は一度行えば終わりではなく、継続的な分析と改善が求められるプロセスです。データを適切に読み解き、PDCAサイクルを回しながら改善を重ねることで、ウェブサイトのパフォーマンスを最大化できます。

ぜひ、本記事で解説した知識やツールを活用し、アクセス解析を成果につなげる第一歩を踏み出してください。

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